加工食品に潜むアレルゲン表示の読み方と日本の表示基準について

加工食品に潜むアレルゲン表示の読み方と日本の表示基準について

1. アレルギー表示の基礎知識

アレルゲンとは何か?

アレルゲンとは、私たちの体が「異物」とみなして過剰に反応してしまう物質のことを指します。食品の場合、卵や乳、小麦、えび、かに、そば、落花生など特定の成分がアレルゲンとなることがあります。これらのアレルゲンを摂取すると、じんましんや腹痛、ひどい場合はアナフィラキシーショックといった重篤な症状が出ることもあります。

加工食品におけるアレルギー表示の重要性

スーパーやコンビニで手軽に購入できる加工食品には、複数の原材料が使われているため、何が含まれているかわかりにくい場合があります。そのため、アレルギーを持っている方やその家族にとって、パッケージに記載されている「アレルギー表示」はとても大切です。正しく表示を確認することで、誤ってアレルゲンを摂取してしまうリスクを減らすことができます。

日本で義務付けられているアレルギー表示(特定原材料)

特定原材料
マヨネーズ・ケーキなど
ヨーグルト・チーズなど
小麦 パン・うどんなど
えび えびフライ・かっぱえびせんなど
かに カニカマ・カニ寿司など
そば そば麺・そばぼうろなど
落花生(ピーナッツ) ピーナッツバター・菓子類など

加工食品パッケージでの表示例

加工食品のパッケージ裏面には、「原材料名」欄や「アレルギー表示」欄があります。例えば、「本製品には卵・乳・小麦が含まれています」と記載されていたり、「同じ工場で落花生を含む製品を製造しています」と注意書きがある場合もあります。これらはすべて消費者が安全に商品を選ぶための情報です。

まとめ表:日本でよく見かけるアレルギー表示用語例
日本語表現例 意味・解説
本製品に含まれるアレルギー物質: 実際に入っているアレルゲンの表示
同じ製造ラインで○○を使用しています。 微量でも混入可能性ありとの注意喚起
コンタミネーション(交差汚染)について: 他の製品から混入するリスクについて説明する用語

このように、日本ではアレルギー表示が厳格に行われており、消費者が安全に商品を選択できる環境づくりが進められています。

2. 日本のアレルゲン表示基準

食品表示法に基づくアレルゲン表示の基本

日本では、食品表示法によって加工食品に含まれるアレルゲン(アレルギー物質)の表示が義務付けられています。消費者が安全に食品を選べるよう、パッケージや商品説明に分かりやすく記載されています。アレルゲン表示には「義務表示」と「推奨表示」の2種類があります。

義務表示と推奨表示の対象品目

現在、日本で義務的に表示しなければならないアレルゲン(特定原材料)は7品目です。一方、推奨されている(任意で表示が望ましい)アレルゲンは21品目あります。下記の表でまとめました。

分類 品目
義務表示(特定原材料) えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)
推奨表示(特定原材料に準ずるもの) あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン、アーモンド

パッケージでの表示方法例

パッケージや商品説明には、「本品には〇〇が含まれています」や、「同じ製造ラインで△△を使用しています」などの記載があります。例えば、「本品は小麦・卵・乳成分を含みます」「本製品工場では落花生を含む製品を生産しています」といった形です。

注意点とポイント

アレルギー体質のお子さんや家族がいる場合は、この表示を必ず確認しましょう。特に外食やお土産など、日本独自の商品を選ぶ際にも役立ちます。また、日本語の読み方に不安がある場合は、「アレルギー物質」や「原材料名」の欄を探してみると良いでしょう。

加工食品でよく見られるアレルゲン表記の具体例

3. 加工食品でよく見られるアレルゲン表記の具体例

日本の市販加工食品には、アレルギーを引き起こす可能性のある「特定原材料」を表示することが義務付けられています。スーパーやコンビニで売られているお菓子やパン、冷凍食品などのパッケージをよく見ると、原材料名の近くや成分表示の欄にアレルゲン情報が載っています。

よく使われるアレルゲン表示例

アレルゲン名(日本語) 商品ラベルでの表記例 含まれる主な食品例
卵、全卵、卵白、卵黄 マヨネーズ、パン、ケーキ
乳成分 乳、乳成分、牛乳、バター、チーズ ヨーグルト、チーズ、お菓子
小麦 小麦、小麦粉、強力粉、中力粉 パン、麺類、クッキー
えび えび、エビ粉 せんべい、冷凍食品
かに かに、カニエキス カニカマボコ、サラダ用具材
そば そば、そば粉 そば(麺)、和菓子類
落花生(ピーナッツ) 落花生、ピーナッツペースト ピーナッツ菓子、中華料理調味料
大豆 大豆、大豆たんぱく、大豆油、しょうゆ(大豆由来) 納豆、豆腐、みそ、しょうゆ、お菓子類
ごま ごま、ごま油、ごまペースト(ねりごま) ドレッシング、ごま和え、お菓子類
アーモンド アーモンド、アーモンドパウダー、アーモンドオイル チョコレート、お菓子類

実際の商品ラベルの読み方について解説

多くの商品では、「原材料名:小麦粉(国内製造)、砂糖、バター(乳成分を含む)、卵…」のように主要な原材料とともにアレルゲンとなる食材が明記されています。また、「本品には〇〇が含まれています。」や「一部に〇〇を含む。」という形でまとめて書かれていることも多いです。

例:ビスケットの場合の表示例(抜粋)

原材料名表示例 アレルゲン情報
小麦粉(国内製造)、砂糖、ショートニング、マーガリン(乳成分を含む)、卵… 一部に小麦・卵・乳成分を含む
ポイント!
  • 太字や赤字などで目立つように書かれている場合が多いのでチェックしましょう。
  • 「同じ工場で〇〇を含む製品を製造しています」という注意書きにも注目しましょう。重度のアレルギーの場合はこの表示も重要です。

加工食品を選ぶ際は必ずパッケージ裏面や側面の「原材料名」や「アレルゲン表示」の欄を確認しましょう。特に日本では法令によって定められた表示基準があり、安全に配慮した表示方法が取られています。日々のお買い物でも安心して商品を選べるようになるためにも、この表示方法に慣れておきましょう。

4. パッケージ裏面表示を正確に読み取るコツ

アレルゲン表示とは?日本の基準をおさらい

日本では、食品衛生法に基づいてアレルギー物質を含む食品の表示が義務付けられています。特に、加工食品には「特定原材料7品目(卵、乳、小麦、えび、かに、そば、落花生)」の表示が必須です。さらに、「特定原材料に準ずる21品目」も推奨表示されています。

成分表示で注目すべきポイント

パッケージ裏面の成分表示欄には、使用されている原材料や添加物などが記載されています。アレルゲンを見逃さないためには、以下の部分に注意しましょう。

注目ポイント 具体例
アレルギー物質欄 「本製品は卵・乳成分・小麦を含みます」などと明記されている部分
原材料名欄 「小麦粉」「脱脂粉乳」など原材料名として記載されている部分
注意書き 「同じラインで落花生を含む製品を製造しています」などの注意喚起文

実際の商品例から学ぶ注意点

例1:カップラーメンの場合

カップラーメンは、小麦・卵・乳成分が入っていることが多く、えびやかにもスープや具材に使われている場合があります。「かにエキス」「魚介エキス」と書かれていたら注意しましょう。

例2:お菓子の場合

クッキーやチョコレート菓子には、ナッツ類や大豆由来のレシチン、卵白などが使われることがあります。また、「本品製造工場では●●を含む製品も製造しています」といった表記も要確認です。

アレルゲンを見逃さないためのチェックリスト

  • 必ず「アレルギー物質」表示欄を最初に確認する
  • 気になる食材は原材料名欄まで細かくチェックする
  • 表記ゆれ(例:「ミルク」「乳等を主要原料とする食品」など)にも気をつける
  • 注意書きや工場内コンタミネーション情報も読む習慣をつける
  • 不明な場合はメーカーのお客様相談室に問い合わせることも検討する

まとめ表:アレルゲン表示で見るべき箇所一覧(日本の場合)

場所 見るポイント
アレルギー物質欄 特定原材料7品目+推奨21品目が明記されているかどうか確認する
原材料名欄 食材名や由来原料の表記(例:乳成分=バター・ヨーグルト等)に注意する
注意書き欄 「同じ工場で○○も扱っています」など交差混入への警告文を見る
商品パッケージ全体 パッケージ前面でも「アレルギー対応」「グルテンフリー」など特記事項がある場合あり

このように、日本国内で加工食品のパッケージ裏面を見るときは、各表示欄ごとにしっかり内容を確認し、自分や家族の体質に合わせた選択を心がけましょう。

5. アレルギー対応食品の選び方と日常生活での工夫

アレルギー表示を確認するポイント

加工食品を購入する際は、必ずパッケージに記載されているアレルゲン表示を確認しましょう。日本では特定原材料7品目(卵、乳、小麦、えび、かに、そば、落花生)が義務表示、それ以外に21品目が推奨表示されています。以下の表を参考にしてください。

義務表示(7品目) 推奨表示(21品目)


小麦
えび
かに
そば
落花生
あわび
いか
いくら
オレンジ
カシューナッツ
キウイフルーツ
牛肉
くるみ
ごま
さけ
さば
大豆
鶏肉
バナナ
豚肉
まつたけ
もも
やまいも
りんご
ゼラチン
アーモンド

外食時・学校給食で気をつけること

  • 外食:
    注文前に必ず店員さんへアレルギーの有無を伝えましょう。日本の多くの飲食店では、アレルゲン情報をメニューや公式サイトで公開していますが、心配な場合は直接確認すると安心です。
  • 学校給食:
    学校では事前にアレルギー申請書を提出し、保護者と栄養士・教職員が連携して対応します。献立表にはアレルゲンの記載があることが多いので、毎月チェックしましょう。

アレルギー対応食品の選び方

  • 専用マークをチェック:
    「アレルギー対応」や「特定原材料不使用」と書かれた商品は、厳しい管理のもとで製造されています。これらのマークや説明文を参考にしましょう。
  • 成分表示の読み方:
    アレルゲン名は太字や別枠で強調されている場合が多いです。不安な成分名があればメーカーのお客様相談室に問い合わせてみましょう。
  • ネット通販の場合:
    商品ページの詳細説明やQ&A欄もよく確認してください。

日常生活でできる工夫

  • 家族や周囲との情報共有:
    家族や保育園・学校・職場など、周囲にも自分やお子さんのアレルギーについて知ってもらうことで、誤食を防ぐことができます。
  • 持ち歩きカードの活用:
    アレルギーカードや医療情報カードを持ち歩くと、万一の時も安心です。
  • 市販お菓子・パンなどは新商品発売時にも注意:
    リニューアルによって成分が変わることがあるため、毎回表示を確認しましょう。

まとめ:毎日のちょっとした気配りで、安全な食生活を!

日本ではアレルゲン表示制度が整っていますが、ご自身でも日々のチェックと周囲への情報共有が大切です。正しい知識と習慣で、安全な加工食品選びや外食を楽しみましょう。