妊娠初期に避けるべき食品とその理由

妊娠初期に避けるべき食品とその理由

1. 妊娠初期に避けるべき生もの

妊娠初期は、ホルモンバランスの変化などにより免疫力が低下しやすくなります。そのため、普段なら問題なく食べられる食品でも、食中毒や感染症のリスクが高まります。特に生魚や刺身、未加熱の卵、生肉などは細菌やウイルスが付着している可能性があり、妊婦さんやお腹の赤ちゃんに悪影響を与えることがあります。

日本でよく食べられている生ものとリスク

食品 主なリスク
生魚・刺身 寿司、刺身、海鮮丼 リステリア菌、寄生虫(アニサキス)
未加熱の卵 卵かけご飯、生卵入りうどん サルモネラ菌
生肉・レア肉 ユッケ、レバ刺し、ローストビーフ(レア) 大腸菌(O157など)、トキソプラズマ
非加熱チーズ カマンベール、ブルーチーズ(輸入品など) リステリア菌

注意したいポイント

  • 外食やスーパーのお惣菜で提供される生ものにも注意しましょう。
  • 家族が生ものを食べる際も調理器具を分けて使うことがおすすめです。
  • 加熱することで多くの細菌やウイルスは死滅しますので、できるだけ火を通した料理を選びましょう。
まとめポイント

妊娠初期は免疫力が低下し、生ものによる感染症のリスクが高まります。安心して妊娠期間を過ごすためにも、生魚・刺身・未加熱の卵・生肉などは控え、加熱した食品を選ぶようにしましょう。

2. アルコール飲料の摂取を控える理由

妊娠初期は、赤ちゃんの体や脳が作られるとても大切な時期です。この時期にアルコールを摂取すると、胎児の発育に悪影響を与える恐れがあります。日本ではビール、日本酒、ワイン、焼酎などさまざまなお酒が親しまれていますが、妊娠中はどの種類のお酒も控えることが大切です。

なぜアルコールが良くないの?

アルコールはお母さんの血液を通して赤ちゃんにも届きます。まだ体が未発達な赤ちゃんはアルコールを分解できず、発育障害や学習障害などのリスクが高まることがあります。

避けたい主なアルコール飲料

飲み物の種類
ビール 生ビール、缶ビールなど
日本酒 純米酒、本醸造酒など
ワイン 赤ワイン、白ワイン、スパークリングワインなど
焼酎・チューハイ 芋焼酎、麦焼酎、レモンチューハイなど
カクテル類 梅酒、サワー、ハイボールなど
ノンアルコール飲料にも注意

ノンアルコールビールやカクテルには微量のアルコールが含まれている場合があります。成分表示をよく確認し、不安な場合は避けるようにしましょう。

カフェイン摂取量の調整

3. カフェイン摂取量の調整

妊娠初期には、コーヒーや緑茶などに含まれるカフェインの摂取量に注意が必要です。カフェインを過剰に摂取すると、流産や胎児の発育障害のリスクが高まるとされています。そのため、日常的に飲んでいる飲み物や食品にどれだけカフェインが含まれているかを知り、摂取量を控えめにすることが大切です。

カフェインが含まれる主な飲み物と食品

飲み物・食品名 カフェイン含有量(目安)
コーヒー(1杯:約150ml) 約60〜90mg
緑茶(1杯:約150ml) 約20〜30mg
紅茶(1杯:約150ml) 約30mg
エナジードリンク(250ml) 約80mg前後
チョコレート(50g) 約20mg前後

日本で推奨されるカフェインの摂取目安量

厚生労働省では、妊婦さんは1日にカフェイン200mg未満に抑えることを推奨しています。コーヒーなら1〜2杯程度、緑茶や紅茶の場合も数杯までが目安です。ただし、個人差もあるので体調や赤ちゃんの発育状況に合わせて調整しましょう。

普段からできる工夫

カフェインレスコーヒーやノンカフェインのお茶を選ぶことで、無理なくカフェイン摂取量を減らすことができます。また、甘い清涼飲料水やエナジードリンクにもカフェインが含まれている場合があるので、ラベル表示をよく確認する習慣をつけると安心です。

4. 特定の魚介類の摂取制限

妊娠初期には、赤ちゃんの発育にとって大切な時期です。そのため、食べるものにも注意が必要です。特に、マグロやカジキなどの大型魚は、水銀を多く含むことがあるため、妊婦さんは摂取量に気をつける必要があります。

なぜ水銀が問題なの?

水銀は、胎児の神経系の発達に悪影響を与える可能性があると言われています。特に妊娠初期は脳や神経が作られる大事な時期なので、できるだけ水銀の摂取を避けることが望ましいです。

どんな魚に注意すればいい?

魚の種類 注意点
マグロ(本マグロ・メバチ・キハダ等) 週1回程度までにする
カジキ(メカジキなど) 週1回程度までにする
サメ 週1回程度までにする
クジラ類 週1回程度までにする

安全な魚介類の選び方

アジやサケ、イワシなどの小型魚は、水銀含有量が少ないので安心して食べられます。また、エビやカニ、貝類も比較的安全です。

日常生活で気をつけるポイント

外食やお寿司を食べる際は、大型魚ばかり選ばず、小型魚や他の海産物もバランスよく取り入れるよう心掛けましょう。

5. ナチュラルチーズや非加熱乳製品の注意点

妊娠初期には、赤ちゃんとママの健康を守るために食べ物にも特に気をつける必要があります。日本でも人気のあるナチュラルチーズや非加熱乳製品ですが、これらにはリステリア菌という細菌が含まれている場合があります。リステリア菌に感染すると、流産や早産などのリスクが高まるため、妊婦さんは注意が必要です。

なぜ避けた方がよいの?

リステリア菌は低温でも増殖しやすく、普通の冷蔵庫内でも繁殖することがあります。健康な大人なら大きな問題になりませんが、妊婦さんは免疫力が低下しているため感染しやすく、胎児への影響も心配されます。

避けたい食品例

食品名 理由
カマンベール・ブリー・モッツァレラなどのナチュラルチーズ(非加熱) リステリア菌感染のリスクがある
生クリーム使用のケーキやデザート 乳製品が加熱殺菌されていない場合が多い
ヨーグルト(加熱処理なし) リステリア菌が残っている可能性あり
安全に楽しむポイント
  • 「加熱処理済み」「殺菌済み」と表示された乳製品を選びましょう。
  • チーズを食べたい場合はプロセスチーズ(スライスチーズや6Pチーズなど)を選ぶと安心です。
  • 外食時やケーキ店での乳製品は加熱・殺菌されているか確認しましょう。

妊娠中はいつもより慎重に食品を選び、安全に美味しく過ごしましょう。