日本の予防接種スケジュールと副反応の特徴・対策

日本の予防接種スケジュールと副反応の特徴・対策

1. 日本の予防接種スケジュールの概要

日本では、子どもたちが健康に成長できるように、様々なワクチンを計画的に接種する予防接種スケジュールが決められています。予防接種には「定期予防接種」と「任意予防接種」の2種類があり、それぞれ対象となるワクチンや時期が異なります。ここでは、乳幼児から小児期にかけて受ける主なワクチンと、そのスケジュールについてわかりやすく解説します。

定期予防接種とは

定期予防接種は、国や自治体が推奨し、費用も原則無料で受けられるワクチンです。お子さんの年齢や成長段階に合わせて、決められた期間内に接種することが大切です。

主な定期予防接種一覧(乳幼児・小児)

ワクチン名 対象年齢 回数 主な病気
ヒブ(Hib) 生後2か月~5歳未満 4回 細菌性髄膜炎など
小児用肺炎球菌 生後2か月~5歳未満 4回 肺炎・中耳炎など
B型肝炎 生後2か月~1歳未満 3回 B型肝炎ウイルス感染症
DPT-IPV(四種混合) 生後3か月~7歳半未満 4回+追加1回 ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ
BCG(結核) 生後5か月まで(標準は生後5~8か月) 1回 結核
MR(麻しん風しん混合) 1歳、年長児(小学校入学前) 2回 麻しん・風しん
水痘(水ぼうそう) 1歳~3歳未満(標準は1歳) 2回 水痘ウイルス感染症
日本脳炎 3歳~7歳半未満(追加:9歳~13歳未満) 3回+追加1回 日本脳炎ウイルス感染症

任意予防接種とは?

任意予防接種は、ご家庭の判断で希望者が受けるワクチンです。インフルエンザやロタウイルス、おたふくかぜなどが含まれます。費用は自己負担になる場合が多いですが、お子さんの健康を守るためにも検討してみましょう。

主な任意予防接種例(乳幼児・小児)

ワクチン名 対象年齢目安 主な病気・特徴
ロタウイルスワクチン 生後6週~24週/32週以内 重症胃腸炎
おたふくかぜ 1 歳以降 流行性耳下腺炎
インフルエンザ 生後6か月以降 季節性インフルエンザ
保護者のみなさんへ

お子さん一人ひとりの体調や発達状況によって、ワクチンの種類やタイミングは微調整が必要なこともあります。不安な点は、小児科医や自治体の窓口に遠慮なく相談してくださいね。今後の記事でも、各ワクチンの副反応や対策についても詳しくご紹介していきます。

2. 主な予防接種の種類と接種時期

お子さんが健康に成長するためには、適切な時期に予防接種を受けることが大切です。日本では国が推奨する予防接種スケジュールが決められており、年齢ごとにさまざまなワクチンがあります。ここでは、主なワクチンの種類とその接種時期について分かりやすくまとめました。

主なワクチン一覧と推奨される接種時期

ワクチン名 対象疾患 初回接種開始月齢・年齢 追加・2回目以降の時期
BCG 結核 生後5〜8か月未満
ヒブ(Hib) インフルエンザ菌b型感染症 生後2か月から 1歳までに完了推奨
小児用肺炎球菌(13価) 肺炎球菌感染症 生後2か月から 1歳までに完了推奨
DPT-IPV(四種混合)
(ジフテリア・百日せき・破傷風・ポリオ)
ジフテリア 百日せき 破傷風 ポリオ 生後3か月から 4回目は1歳半〜2歳未満で追加接種
B型肝炎ワクチン B型肝炎ウイルス感染症 生後2か月から
ロタウイルスワクチン(ロタリックス/ロタテック) ロタウイルス胃腸炎 生後6週〜24週までに開始
(種類によって回数異なる)
麻しん・風しん混合(MR)ワクチン 麻しん 風しん(はしか・ふうしん) 1歳になったらすぐ(第1期) 小学校入学前1年間(第2期)4〜6歳相当時期に追加接種
水痘(水ぼうそう)ワクチン 水痘(水ぼうそう) 1歳〜1歳3か月未満で第1回目 3か月以上あけて第2回目 (通常1歳半頃まで)
日本脳炎ワクチン 日本脳炎 3歳から 4歳、9〜13歳で追加接種

年齢ごとの予防接種スケジュールの流れ(目安)

年齢・月齢 主なワクチン
生後2か月 B型肝炎、ヒブ、小児用肺炎球菌、ロタウイルス
生後3か月 DPT-IPV(四種混合)開始
生後5〜8か月未満 BCG
1歳 M R(水痘)、水痘、おたふくかぜ(任意)、ヒブ/肺炎球菌の追加
1歳半〜2歳未満 DPT-IPV追加、水痘第2回目
3歳 日本脳炎 初回
4歳〜6歳(小学校入学前) M R追加、日本脳炎追加

予防接種を受けるときのポイント

  • 母子手帳を必ず持参しましょう。
  • 体調が良い日に受けるよう心がけましょう。
  • 不安なことや副反応については、事前に医師や看護師に相談しましょう。

このように、日本では年齢や発達段階ごとに細かく予防接種のスケジュールが決められています。お子さんの健康を守るためにも、スケジュールを確認しながら、忘れずに受けていきましょう。

予防接種後の副反応とは

3. 予防接種後の副反応とは

予防接種後によく見られる副反応の種類

日本で行われている定期予防接種や任意接種のあと、お子さんにどのような副反応が現れるか気になる保護者の方は多いですよね。副反応とは、ワクチンを受けた後に体が示す一時的な反応です。多くの場合は軽い症状で済みますが、まれに強い反応が出ることもあります。ここでは、主に見られる副反応とその特徴についてご紹介します。

主な副反応の種類と特徴

副反応の種類 発生頻度 主な症状
発熱 よくある(特に乳幼児) 37.5℃~38.5℃程度の微熱から高熱まで。通常1~2日でおさまることが多い。
腫れ・赤み・痛み 非常によくある 注射した部分が赤くなったり、少し腫れたり、触ると痛がることがある。数日以内に自然に回復。
機嫌の変化 よくある 泣きやすくなる、ぐずる、眠たそうになるなど一時的な変化。
発疹 まれ 全身や注射部位周辺に小さな発疹が出ることがある。ほとんどの場合は自然に消える。
アレルギー反応(じんましん等) 極めてまれ 強いかゆみやじんましん、呼吸困難など重い症状の場合はすぐに医療機関へ相談。

副反応が起こるタイミングと経過

多くの副反応は接種当日から翌日にかけて現れます。特に発熱や注射部位の腫れは24時間以内がピークとなり、その後は徐々に落ち着いていきます。また、BCGワクチンなど一部のワクチンでは、数週間後に腕にしこりや膿が出ることがありますが、多くは自然経過で治ります。

保護者として気をつけたいポイント
  • 高熱(39℃以上)が続いたり、ぐったりして元気がない場合は早めに小児科医へ相談しましょう。
  • 腫れや赤みが大きく広がった場合や、呼吸困難・ひきつけなど重い症状が見られた場合はすぐ医療機関へ連絡を。
  • ほとんどの場合、副反応は自然におさまりますので、お子さんを安心させてあげながら様子を見守ってください。

4. 副反応が見られた時の対策と家庭でのケア

副反応が現れた時の家庭でのケア方法

予防接種後に副反応(副作用)が現れることは珍しくありません。多くの場合、軽度な症状で数日以内に自然と治まりますが、親御さんとして適切な対応を知っておくことはとても大切です。

よくある副反応と自宅でできるケア

副反応の例 家庭でのケア方法 注意点
発熱 十分な水分補給、衣服を調整して体温管理、安静に過ごす 高熱(38.5℃以上)が続く場合やぐったりしている時は受診
接種部位の腫れ・痛み・赤み 無理に触らず冷やす(清潔なタオルで軽く冷やす) 腫れや痛みが強い場合や広範囲に広がる場合は受診
機嫌が悪い・泣きやすい 抱っこしたり優しく声をかけて安心させる 呼吸が苦しそう、意識がぼんやりする場合はすぐ受診
食欲低下・嘔吐 無理に食べさせず、少量ずつ水分補給を心掛ける 何度も嘔吐する、ぐったりしている場合は受診

受診の目安と相談先

  • 38.5℃以上の高熱が続く場合や、解熱剤を使っても下がらない時
  • 呼吸が苦しそう・顔色が悪い・けいれんを起こした時
  • 意識がもうろうとしている・全身状態が明らかに悪い時
  • 接種部位以外にも発疹や腫れが広がっている時
  • その他、不安な症状やいつもと様子が違う場合は早めに医師へ相談しましょう。

親御さんが知っておきたいポイント

  • 副反応はほとんどの場合一時的ですが、症状の観察をしっかり行いましょう。
  • 母子健康手帳に記録しておくことで、次回接種時にも役立ちます。
  • 不安な場合は「小児救急電話相談(#8000)」など公的な相談窓口も活用できます。
  • 予防接種当日は無理な外出を避け、お子さんの様子をよく見守ってください。

5. 日本の医療機関や自治体のサポート・相談窓口

予防接種に関して不安や疑問を感じたとき、どこに相談すればよいか悩むことも多いですよね。日本では、医療機関や自治体がさまざまなサポート体制を用意しています。ここでは、主な相談先とサポート内容についてわかりやすくご紹介します。

予防接種に関する主な相談窓口

相談先 主な内容 利用方法
かかりつけ医(小児科・内科) ワクチンの種類や副反応への対応、スケジュール調整など 直接予約し、受診時に相談可能
保健所 地域で実施されている予防接種情報、集団接種の日程案内など 電話や窓口で問い合わせ可能
市区町村役場の健康課・子育て支援課 接種券の発行手続き、副反応時の対応案内など 電話・窓口・ホームページから情報入手可能
厚生労働省 予防接種相談ダイヤル 最新のワクチン情報、副反応等への一般的なQ&A 専用ダイヤルへ電話相談

サポート体制について知っておきたいこと

  • 副反応が心配な場合:軽い症状はよくあるため慌てず、様子を見ることも大切ですが、発熱や腫れが続くときは早めに医師へ相談しましょう。
  • 自治体からのお知らせ:定期予防接種の場合、市区町村から案内状や予診票が郵送されます。届いた書類は大切に保管してください。
  • 母子健康手帳:接種記録を残すため、必ず持参しましょう。わからない点はその場で医師や看護師に確認できます。
  • 専門家による無料相談:多くの自治体では、子育て世代向けの無料電話相談や個別相談会を実施しています。

気軽に相談できる環境づくりを大切にしましょう

予防接種に対する心配事や疑問は、一人で抱え込まずに身近な専門家や自治体の担当窓口へ気軽に相談してみてください。お子さんとご家族が安心して予防接種を受けられるよう、日本各地で充実したサポート体制が整っています。