新生児のけいれん・ひきつけ:家庭での対処法とすぐに病院に行くべき症状

新生児のけいれん・ひきつけ:家庭での対処法とすぐに病院に行くべき症状

1. 新生児のけいれん・ひきつけとは

新生児のけいれんやひきつけは、日本の医療現場でも比較的まれながら注意が必要な症状です。新生児期(生後28日未満)の赤ちゃんに見られるけいれんは、体の一部がピクピクと細かく動いたり、全身が固くなったりすることがあります。また、呼吸が止まるように見えたり、目線が一点に固定されたり、顔色が急に青白くなる場合もあります。原因としては、低酸素血症、感染症(髄膜炎や敗血症)、低血糖、電解質異常など様々なものが考えられます。特に日本では出生時の経過や家族歴にも注意しながら診断されることが多く、早期発見と適切な対応が重要です。

2. 家庭での応急処置と注意点

新生児がけいれんやひきつけを起こした際、保護者として自宅でできる対応策を知っておくことは非常に大切です。ここでは、けいれん時の安全な姿勢、環境づくり、そして絶対に避けるべき行動について具体的に解説します。

自宅でできる基本的な対応策

対応策 ポイント
落ち着いて観察する 慌てず冷静に新生児の様子(顔色・呼吸・時間)を確認しましょう。
安全な場所へ移動 ベッドや床など転落しない平らな場所に寝かせます。
衣服を緩める 身体を締め付けている部分があればゆるめてあげましょう。
記録を取る けいれん発作の持続時間や症状の特徴をメモしておくと受診時に役立ちます。

けいれん時の安全な姿勢と環境づくり

  • 横向きに寝かせる(リカバリー体位): 嘔吐や唾液による窒息予防のため、優しく横向きにしましょう。
  • 頭部をやや高くする: 頭の下にタオルなどを敷いて少し高くすると呼吸が楽になります。
  • 周囲の危険物を除去: 硬い物や小物は赤ちゃんから離して、安全なスペースを確保してください。

絶対にしてはいけないこと

  • 揺さぶらない: けいれん中に赤ちゃんを強く揺さぶると脳へのダメージになる恐れがあります。
  • 無理に口を開けさせたり、物を口に入れない: 口から嘔吐物や異物が入ると窒息の危険があります。
  • 一人で判断せず迷ったら医療機関へ相談: 少しでも不安な場合はすぐ小児科や救急相談ダイヤル(#8000)へ連絡しましょう。
日本国内で使える相談窓口情報(参考)
相談先 連絡方法・詳細
#8000(子ども医療電話相談) 夜間・休日も利用可。地域ごとの番号案内あり。
かかりつけ小児科医 普段通院している病院にも状況説明のうえ早めに相談しましょう。

正しい応急処置と冷静な観察が、新生児の命と健康を守ります。不安や迷いがある場合は、無理せず専門家へ連絡してください。

すぐに病院を受診すべき症状

3. すぐに病院を受診すべき症状

新生児のけいれん・ひきつけが見られた場合、家庭で様子を見るだけでは危険な場合があります。特に日本の小児救急では、次のような症状やサインが認められた際は、ためらわず速やかに医療機関を受診することが重要とされています。

意識レベルの変化

呼びかけても反応が鈍い、目を開けない、ぐったりしているなど、普段と明らかに違う様子の場合は、重大な脳や全身のトラブルが隠れている可能性があります。

呼吸異常

呼吸が止まる、一時的に息をしなくなる(無呼吸)、呼吸が極端に浅い・早い、顔色が青白くなる(チアノーゼ)などは緊急性が高い症状です。すぐに救急車を呼びましょう。

けいれんが長く続く・繰り返す

けいれんが5分以上続く場合や、短時間でも何度も繰り返される場合は、医療機関での評価と治療が必要です。

発熱や嘔吐を伴う場合

発熱や嘔吐、高熱によるぐったりなどを伴うけいれんは、感染症や脳炎など重篤な疾患の可能性もあるため注意しましょう。

外傷後のけいれん

転倒や頭部打撲などの外傷後にけいれんが起こった場合は、脳出血等の危険も考慮し、早急な受診が必要です。

その他気になる症状

授乳を全く受け付けない、泣き方がおかしい・弱々しい、手足の動きがおかしいと感じた時も、小さな変化を見逃さず相談しましょう。
これらの症状は「小児救急電話相談」(#8000)にもご相談いただけます。新生児は体力や自己防衛能力が未熟なため、「念のため」の受診も大切です。保護者として不安を感じた時点で遠慮せず医療機関へ連絡しましょう。

4. 救急車を呼ぶか迷ったときの相談窓口

新生児がけいれんやひきつけを起こした場合、特に夜間や休日は「今すぐ救急車を呼ぶべきか」「病院に行くべきか」判断が難しいことがあります。こうした際に役立つ、日本国内の公的な相談窓口や電話ダイヤルを紹介します。

夜間・休日に利用できる主な相談サービス

サービス名 電話番号/利用方法 受付時間 特徴
#8000(子ども医療電話相談) 全国共通短縮ダイヤル
(都道府県によって直通番号あり)
主に夜間・休日
※地域で異なる
小児科医師や看護師が症状についてアドバイス。緊急性の有無や受診の必要性を判断するサポート。
#7119(救急安心センター) 一部の地域で導入済み
(東京都・大阪市など)
24時間対応 緊急度判定や救急車手配の必要性について相談可能。大人・子ども問わず利用可。

その他の相談先と活用ポイント

  • 各自治体の保健所・保健センター:平日日中の相談や予防接種・育児全般の問い合わせにも対応しています。
  • かかりつけ小児科:診療時間外でも留守番電話や夜間専用連絡先を設けている場合があるため、事前に確認しておくと安心です。

ご利用時の注意点

  • #8000や#7119はあくまでアドバイス提供が目的であり、症状が明らかに重篤な場合(意識障害、呼吸停止など)は迷わず119番へ連絡してください。
  • 相談時は、お子さまの年齢、発作時の様子、既往歴、現在飲んでいる薬などを整理して伝えるとスムーズです。

これらの公的サービスを上手に活用し、不安な場合は遠慮せず専門家に相談しましょう。特に新生児の場合は、小さな変化でも重大な症状につながる可能性がありますので、「念のため」の気持ちで相談窓口を利用してください。

5. 病院受診時のポイントと持ち物

受診時に持参するとよいもの

新生児がけいれんやひきつけを起こした場合、速やかに病院を受診することが大切です。受診の際には以下のものを持参しましょう。

  • 母子健康手帳(母子手帳):医師がこれまでの成長や予防接種歴などを確認できます。
  • 健康保険証・乳幼児医療証:診療や会計手続きに必要です。
  • お薬手帳:服用中のお薬や過去の薬歴を医師に伝えるために役立ちます。
  • 普段使っている哺乳瓶、おむつ、着替え:長時間の待機や入院に備えましょう。
  • 記録メモ:発作の様子や時間、経過を記載したメモは医師への説明に非常に役立ちます。

医療スタッフに伝えておくべき情報

  • 発作が起きた日時と回数、持続時間
  • けいれん・ひきつけ中の赤ちゃんの様子(体の動き、意識、呼吸状態など)
  • 発熱や咳、鼻水など、他に気になる症状があったかどうか
  • 直近で服用している薬やサプリメント
  • 家族に同様の症状を経験した人がいるかどうか

日本の医療現場で重視されるポイント

日本では「母子手帳」や「お薬手帳」の携帯が推奨されており、これらはスムーズな診療につながります。また、発作時の動画撮影が可能であればスマートフォン等で記録し、受診時に見せることで詳細な症状把握につながります。さらに、「何分くらい続いたか」「けいれん後すぐ意識が戻ったか」など具体的な経過も正確に伝えることが重要です。
地域によっては小児救急電話相談(#8000)も利用できるため、迷った場合は事前相談すると安心です。

6. 安心して子育てするために

新生児のけいれんやひきつけが起こると、ご家族は大きな不安を感じるものです。しかし、日本には子育て世帯を支える多くの相談先やサポート体制があります。ここでは、安心して子育てを進めるためのポイントをご紹介します。

日本の主な子育て支援・相談先

地域の保健センターや市区町村の子育て支援窓口

多くの自治体には、子育てに関する悩みや健康相談を受け付ける窓口が設置されています。新生児の健康状態について不安なことがあれば、保健師や助産師に気軽に相談できます。

小児科クリニック・病院

定期健診や予防接種だけでなく、日常的な健康管理や急な症状にも対応してくれます。気になることがあれば、早めに受診しましょう。

電話相談サービス

「#8000(子ども医療電話相談)」は夜間や休日でも利用でき、看護師や医師がアドバイスを行っています。不安な時は一人で抱え込まず、積極的に活用しましょう。

普段から心がけたい健康管理

  • 赤ちゃんの様子(顔色・呼吸・機嫌など)を毎日観察する
  • 授乳量やおしっこの回数などを記録しておく
  • 異変を感じたら無理せず専門家に相談する
まとめ

新生児期は特に心配事が多いですが、正しい情報と周囲の支援を活用すれば、安心して子育てができます。困った時は一人で悩まず、身近なサポート窓口や医療機関を頼りましょう。赤ちゃんとご家族の健やかな毎日を応援しています。